2005年10月15日

虫の人

漢字の「虫」という文字がデザインされたTシャツを持っている。
大阪市立自然史博物館に遊びに行ったときに、売店で吊るしてあるのに一目惚れして、買ったのだ。

それから何度か愛用しているが、わりと周囲の評判が良い。特にジャイアンのような知り合いからはなぜか異様なまでの大絶賛を受けた。よほど彼のツボだったのだろうか。

そしてある夏の日、虫Tシャツを着て一人で出かけていた私は、突如空腹に襲われた。

あまり好きではないが、安いし早いし一人だし、ということでファーストフードの店に入ることにした。そもそも、私が歩いていたその界隈にはロクな飯屋がなかったのだ。

「えーと、じゃあチーズバーガーとナントカとナンヤラで」

と、店員の小太り姉ちゃんに注文した。このナントカとナンヤラが何だったのかは忘れたので、各自頭の中で適当なサイドメニューに変換しておいてほしい。

しばらくして注文したものが並ぶと、突如その小太り姉ちゃんが話しかけてきた。

「あの…」

私は反射的に、あれ、なんかおかしなことしたかな?と自問した。が、答えはわからなかった。
小太り姉ちゃんは続けた。

「面白いTシャツですね」

ああ、虫Tシャツのことやな。しかしマニュアル外の発言をするとはなかなか鋭い店員だ。

「えぇ、まぁ…」


私はとっさのことに、気の利いたレスポンスができなかった。
片膝を思い切り上げて両手をパーで広げ、「そうでんね〜ん!」とでもふざけておけばよかった。この点は非常に悔やまれる。

「どこで売ってるんですか?」

店員が笑いながら訊いてきた。よく見ると他の店員も面白がっていた。

「え、あ、大阪自然史博物館です」

ファーストフード店なので早口で答えた。特に意味はないが。

「あはは、今度行ってみます」

こやつめ、ミエミエの社交辞令を言いおって。と、思ったが、一応愛想を振り撒いて商品を受け取った。

その後、席に着いて商品を見て気がついた。注文したうちの一品が足りなかったのだ。

私は、よいしょともう一度カウンターに向かって、さっきとはまた別の女の店員に一品足りないぞと言った。

「すいません、Tシャツに見とれてしまって…」
と、笑顔で言われた。

思わず私も苦笑いをしたが、内心、「お前もか…。てか、私のせいなのか?!」と軽く舌打ちしたくなった。

が、ウケたのならまあいい。恐らく裏で「虫の人」とでも呼ばれることになるのだろうが、それも別所哲也のようでまたよし。

そういうわけで、我ながらなかなか良いものを買った、と、鼻を高らかにしながら今回の日記を終わる。
posted by aasa at 09:49| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | いわゆる日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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